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ブログ2024.12.05
企業ステートメントとは?その重要性を解説
- #all_company
企業ステートメントとは?その重要性を解説
「企業ステートメント」という言葉を聞いたことがありますか?
この言葉は、「スローガン」や「コーポレートメッセージ」と混同されることが多く、実際にどのような意味を持つのか分かりにくいと感じる方も多いでしょう。広告やブランディングの世界では、ステートメントという言葉が多様な意味で使われています。たとえば、企業のスローガンを「ステートメント」と呼ぶこともあれば、新聞広告やプロモーションの中で使われる文章全体を「ステートメント」と称するケースもあります。
本記事では、企業ステートメントを「企業の存在意義を簡潔に宣言するメッセージ」と定義し、その具体的な役割やスローガン・理念・MVVとの違いについて解説します。さらに、トヨタ自動車の例を用いて、それぞれがどのように使い分けられているのかを詳しく見ていきます。企業ステートメントの本質を理解し、自社のブランディングに役立てるヒントを掴んでいただければ幸いです。
1. 企業ステートメントとスローガンの違い
定義と役割の違い
- 企業ステートメント:「Mobility for All(すべての人にモビリティを)」 企業の存在意義を端的に表現し、トヨタが移動手段を通じてすべての人に自由をもたらすという約束を示すもの。内外問わず一貫したメッセージとして、企業全体を象徴します。
- スローガン:「Start Your Impossible」 トヨタがオリンピック・パラリンピックのスポンサーとして用いるキャッチフレーズ。挑戦する姿勢や前向きなメッセージを強調したもので、主に顧客や観客向けの短期的なプロモーションに使われます。
比較ポイント
項目 | 企業ステートメント | スローガン |
---|---|---|
目的 | 企業全体の存在意義や姿勢を内外に伝える。 | 商品やサービス、キャンペーンの特長を顧客に印象付ける。 |
対象 | 内外すべてのステークホルダー。 | 主に顧客や市場に向けたプロモーション。 |
使用期間 | 長期的かつ普遍的に使用される。 | 短期的なキャンペーンや特定のプロジェクトに使われる。 |
違いのまとめ
企業ステートメントは企業全体を象徴し、一貫性が求められる永続的なメッセージです。一方、スローガンは特定の製品やプロジェクトに関連付けられ、一時的な活用が主となります。
2. 企業ステートメントと企業理念の違い
定義と役割の違い
- 企業ステートメント:「Mobility for All(すべての人にモビリティを)」 トヨタが提供する移動手段を通じて、全ての人々に自由をもたらすという約束を簡潔に示したメッセージ。
- 企業理念:「すべての人にとって安全で快適なモビリティ社会の実現」 トヨタの哲学を反映した理念で、移動手段を通じて社会に貢献するという企業の根本的な価値観を示します。企業文化の形成や社内向けの行動指針として重視されます。
比較ポイント
項目 | 企業ステートメント | 企業理念 |
---|---|---|
目的 | 企業の存在意義を内外に簡潔に伝える。 | 企業の哲学や価値観を深く掘り下げる。 |
対象 | 内外すべてのステークホルダー。 | 主に社内向け(従業員や経営層)。 |
内容 | 簡潔で象徴的な一文。 | 抽象的で深い哲学を持つ表現が多い。 |
違いのまとめ
企業理念は企業の哲学や価値観を反映した抽象的な考え方であり、主に社内での指針として機能します。一方、企業ステートメントは、その理念を簡潔で外部にも分かりやすい形で表現したものです。
3. 企業ステートメントと経営理念の違い
定義と役割の違い
- 企業ステートメント:「Mobility for All(すべての人にモビリティを)」 企業の存在意義を簡潔にまとめ、社内外に向けた統一的なメッセージ。
- 経営理念:「最高の品質を追求し、社会と地域に貢献する企業を目指す」 経営者が掲げる意思決定の基盤であり、品質や社会貢献といった具体的な方向性を示すもの。経営活動全般の指針として重視されます。
比較ポイント
項目 | 企業ステートメント | 経営理念 |
---|---|---|
目的 | 企業の存在意義を内外に伝える。 | 経営判断や戦略の基盤を提供する。 |
対象 | 内外すべてのステークホルダー。 | 主に経営層や社内の意思決定プロセスに関与する人々。 |
内容 | 簡潔でシンボリックな一文。 | 経営活動の優先事項や方向性を具体的に示す。 |
違いのまとめ
経営理念は経営者が企業活動の方向性を定めるための内部的な基盤として機能します。一方、企業ステートメントはその経営理念を外部に伝わる形で簡潔に表現したものです。
4. 企業ステートメントとミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の違い
定義と役割の違い
- 企業ステートメント:「Mobility for All(すべての人にモビリティを)」 トヨタの存在意義を簡潔に示し、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を包括するメッセージ。
- ミッション:「より良い未来のためにモビリティを再発明する」 現在進行形で解決すべき課題や使命を具体的に表現。日々の業務に直結する行動指針として機能します。
- ビジョン:「持続可能な社会のためにゼロエミッションとカーボンニュートラルを目指す」 トヨタが描く理想的な未来像を示し、長期的な方向性を明確にします。
- バリュー:「安全、品質、環境、そして顧客第一」 従業員が業務で守るべき価値観や行動基準を具体的に定義したもの。
比較ポイント
項目 | 企業ステートメント | ミッション | ビジョン | バリュー |
---|---|---|---|---|
目的 | 存在意義を内外に伝える。 | 現在の使命を示す。 | 長期的な未来像を描く。 | 日々の行動指針を定める。 |
対象 | 内外すべてのステークホルダー。 | 主に社内。 | 内外両方。 | 主に社内。 |
内容 | 包括的かつ簡潔な一文。 | 短期的で具体的。 | 長期的で未来志向。 | 具体的な価値観と行動基準を示す。 |
違いのまとめ
企業ステートメントはミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を包括し、それらを統合的に表現した簡潔で象徴的なメッセージです。MVVが具体的な行動指針や方向性を細かく示すのに対し、企業ステートメントはその要素を凝縮し、内外に一貫性のある形で提供します。
まとめ
企業ステートメントは、スローガンや理念、経営理念、MVVと密接に関連しつつも、それらを統合的かつ簡潔に表現したメッセージです。同じ企業内でもこれらの役割は異なり、それぞれが補完し合いながら、企業の活動を支えています。
トヨタ自動車を例に見ると、企業ステートメントは「Mobility for All」という象徴的な一文で、企業全体の存在意義を端的に伝える役割を果たしていることがわかります。
スローガンや理念、MVVと連携しながらも、普遍的で一貫性のあるメッセージとして、社内外のステークホルダーとの信頼関係構築に貢献します。
この記事を通じて、企業ステートメントの本質を再確認し、自社の戦略に役立てるきっかけとなれば幸いです。
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代表取締役社長は、株式会社電通にてコピーライター、CMプランナー、デジタルプランナー、ビジネスプロデューサーを歴任してきました。現在は自身もスタートアップを立ち上げて事業会社を経営しており、経営視点を取り入れたクリエイティブ提案が可能です。